2009年8月5日水曜日

主任

私の現在の職場に置けるポジションである。

もう1年になろうか。


私も組織改革の訓練を受けて来た人間なので、会社組織の粗はよく見える。

そして、週報などの報告書には良く提案を書く。

しかし、その報告書というものは不特定多数の上司が閲覧するため、提案されても「誰かがやってくれるだろう」という他人任せな命が働き、結局誰からも拾われることがないのだ。



上司に期待するのはやめて、直接、担当者に提案することにした。水面下ではあるが、少しずつ動き出した。





そんな折、珍しく上司が、「主任だけを集めて、そんな話し合いをする場を持ってはどうか?」ということを言って来た。

私としては誰が手伝ってくれようがくれまいが、私のやりたいようにやろうと思っているから、そこに他の主任の人が協力してくれようがくれまいが、あまり関係ない。

しかし、振られた以上、反応するのが私のポリシーなのだ。挑戦には応戦する。即座に脳内でビジョンを広げ、私が主催で主任会議なるものを開くことにした。

ちなみに私の部の中で主任の数は全体の半分。そして私は下から2番目なのだ。






まずは自分の中で主任とは何ぞやを固めることとした。

wikipediaを読む。

ふむふむ、要するにその分野での専門家ってことね。

え!主任って管理職じゃないの?

まてまて、会社の規定をみてみよう。

なるほど、会社の規定では部下の育成が取り上げられている。

つまり管理もやるらしい。

どうやらうちの会社は世の中一般の常識と若干のずれがあるようだ。






そこから見えて来たものと言えば、情報産業の専門家であるうちの会社の主任は部の半分もいる訳だから、その人たちが本気になれば、確実に部が変わる。百数十名の中小企業なので、部が変わればその影響は簡単に全社に波及するだろう。

おもしろい、主任祭りをやってやろうじゃないかい。

祭りだ。祭り。



きっと多かれ少なかれ会社に対して不満や要望はあるはずだ。しかしそれらは「言っても変わらない」「言い出しっぺが損をする」空気に飲まれ、眼をそらしているはずだ。そこを主任全員で共有する。みんなの脳内をぐちゃぐちゃに混ぜる。混ぜるぜ危険。だから祭りなのだ。


とりあえず全主任に招集をかけた。

メールで反応があったのは、、、1名。

口頭で反応してくれたのは、、、1名。

しかし私は一切動じない。

何故なら、冷たい言い方だが、全く他の主任には期待していないからだ。そう、今回の私のコンセプトは「期待しない」でいく。

しかし、実のところは冷たい訳ではない。

期待しないから、期待通りに行かなくても腹が立たない。逆に少しでも手伝ってくれたら、めちゃめちゃ有り難いと思い、感謝すらしてしまうのだ。

実際、2名反応してくれたが、それだけでめちゃめちゃ感動した。


時は少し空き、会議一週間前。

どうやって会議を進めようか。色々考えたあげく、私がこれまで提案して来たものをリスト化し、全員に配信してみた。このリストを元に話し合おうと。


この反響はなかなかのものだった。

それぞれ共感出来るところや、他の意見が寄せられるようになった。

一番年配の主任の方はいう。

「おまえ、そんなこと考えながら仕事してたのか。すごいな。絶対偉くなるよ。それか会社をやめるか。これまでそんなことを言ってた人はうちの会社からみんな去っていった。」

また曰く

「不満を持った主任達が集まると、みんなで独立しようっていう流れになるかも」

いまのところ、私は辞める気はない。

理由は、そもそも問題や不満の無い組織なんてないからだ。あったとしたら後は滅びるだけというのが世の鉄則である。つまり、職を変えたところで、同じ問題にぶち当たるということ。どこまでも付いてまわる影のようなものだ。だったら、ここで改革し、自分の経験/糧/実績/自信にすべきではないかと考える。

というのが建前で、転職が面倒くさいからというのが正直なところかもしれない。不景気だし。


他にも多くの人が様々な意見を寄せてくれた。組織の隅っこに埋もれていた宝物を見つけ出した気分だ。


それでまぁ、みんな会議をすごく楽しみにしてくれたのだが、実際当日になってみると参加者は主任が私を含め3人と部長の計4人だった。めちゃ参加したいけど、もうすぐ納期なので難しいという人がほとんどだ。ここにも「きっと誰か他のメンバーが参加してくれるだろう」という力が働いているんだと思う。実際、議事録を作って配信したら、みんな第一声が「えー、こんだけしか集まらなかったの?」だった(笑)


祭りの内容的には結構ドロドロした内容を期待したのだが、割ときれいに纏まってしまった。期待しちゃいかんな。


まだ始まったばかり。

焦っちゃいかん。



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